
戒名をつける前に、絶対に知っておくべき「戒名の種類」これで大丈夫です。
あなたは、戒名の事を考えたことがありますか?
そして、戒名には種類・ランクがあるということをご存じでしょうか?
ほとんどの方が、戒名って高い?ということぐらいわかっていても、なぜ?高いのか?また、それには、戒名の種類やランクがあることをご存じありません
親の戒名をしっていてもそこまで気にしてみることはあまりありません。
しかし、突然やってきた葬儀。喪主をつとめることになった時、どうすればいいのか?
まず、聞かれるのは?
Q:「戒名の種類はどうしましょうか?ご先祖の戒名の種類を教えてください。

家の仏壇がある方は位牌を見ればわかるのですが、まだ死人を出していないご家庭には仏壇がなく、何を言っているのかチンプンカンプン。
葬儀社の方に聞いて初めて意味を知る。
そして、親戚に電話をして、うちの先祖の戒名ってどんなのですか?と聞きまわります。
ところで、「戒名・法名・法号?って種類があるようだけど・・・我が家は?」
聞きなれない言葉が出てきたので即座に携帯でググる。
戒名:天台宗・真言宗・曹洞宗・浄土宗・臨済宗の呼び方
法名:浄土真宗の呼び方
法号:日蓮宗の呼び方
あれ?我が家は何宗だった?
先祖の墓は田舎にあるが、親は分家して今まで僧侶の世話になった事もない。
もしくは、霊園を買ったが、そこの宗派でいいのか?
戒名の種類?わからないのでどうしよう?とドギマギしていると次の質問
Q:どのような方でしたが?一生懸命にやってこられた故人にふさわしい戒名を授かりちゃんとお見送りしましょう。
考えることも、選択する判断もなく「お任せします」と答えてしまいます。
戒名の種類は、「一般的なもので・・・」と答えてしまいます
中には、物いう親戚のおじさんが登場。
我が〇〇家は、代々院号で授かっている。恥じない戒名を付けてもらってくれ。と口は出すけどお金は出さない親戚の声。
もっとも、
葬儀のことは、戒名の事以上に、決めることがたくさんありすぎて、急いでどんどん決まっていきます。
葬儀の段取りが決まっていくと、頭の中が何かわからず、ただ葬儀社の方の話にうなずくだけ。
どんどん決まってしまい、何が何か?わからず、葬儀が終わって反省してしまう。
戒名の種類やお布施に関する疑問や疑念のまま・・・
ぶっちゃけ、仏教や戒名の事はよくわからないけれど、
悲しみの中で、周りの声に流されて決めただけで、だれにも相談できず、あとでたくさんの請求書が来てしまったということも珍しくありません。
一番重要な「戒名の種類」
知っておくことと、知らないのでは、大きく違ってきます。
なんと、文字数の違いで、100万円以上の違いになることも・・・
何が大切で、どういう判断で、どうしておけばいいのか?
■そもそも戒名とは?
戒名とは元来、仏教者として守るべき生活や心の規範を受けた者に対して師匠から仏教徒として授けられる名前です。
現在では亡くなってから戒名が授けられるというのが一般的ですが、本来は、生きている間に戒律を受け、仏教者としての生活を送るものであり、生前戒名が本筋であります。
戒名は、宗派によって呼び方や考え方が違い、浄土真宗では戒律を持たないという考え方から「法名(ほうみょう)」といい、日蓮宗では、法華経を護持することが持戒に勝るという考え方から「法号(ほうごう)」といいます。
全宗派、戒名は、2文字であるという事は共通しています。
■戒名の歴史
538年 日本に百済から仏教が伝来してきます。しかしながら、仏教そのものは伝わったとしても「三蔵」すなわち「戒律」を授かった者はいなかったのです。
国家を仏教という教えを利用して統治ししてく中で、箱モノだけ出来て、大切な戒律が伝わっていない。そこで、754年、中国に招請し、5回も船が難破し、最終的には目が見えなくなっても来日されたのが鑑真和尚様です。
東大寺の戒壇堂にて鑑真和尚から戒律を授かり、日本ではじめて戒名を授かったのが聖武天皇だとされています。戒名は「勝満」と授けられました。
お茶やお華で、ある程度できるようになると、家元や師匠からその道での「名前」をもらいます。これと同じように、お釈迦さまの教えを守って生活をします、仏様の前で約束したときに授けてもらう名前が戒名です。まさに仏弟子になったことを表す名前です。
戒名は、元来 生前に授かるものです。
鎌倉時代の武将、上杉「謙信」や武田「信玄」の名も戒名です。謙信の俗名は輝虎、信玄は晴信です。
室町時代あたりから、葬儀のときに仏弟子となった意味で戒名を贈るようになりました。その後、江戸時代になると宗門人別改帳という法令が公布され、キリシタン弾圧の流れの中、一般人は皆お寺の檀家になる事が強制されました。これが「檀家制度」と言われるようになります。
檀家制度の利点は、日本国民の住民票をお寺が管理することで、出生・結婚・死亡など、すべてを寺院が管理するよう幕府から命じられていました。
この時に言われたことわざが「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
何はともあれ、お寺は、町の中心として機能し、役所としての務めをし、檀家はお寺と共に歩み 現代につながってくるのです。
しかしながら、廃仏毀釈という仏教を排他し、神道を中心とした流れになり、お寺の力はどんどん衰退していきます。
我がお寺を管理護持して守っていくために、檀家総代を中心に、檀家さん達で決めたのが、今の檀家制度であります。
ここで問題になる、戒名料といったものも、住職が決めた金額ではなく、檀家さんを中心にお寺を護持管理するため、皆さんだ決められたものが戒名料となってお寺のために使われているのです。
檀家になっているか?それとも、分家で菩提寺がないのか?によって全くと言ってよいほど違ってくるのです。
ここが戒名料を安くするためのヒントです。
同じように考えようとすることが、戒名料の不平不満につながっている問題であると思います。
■戒名の種類
戒名の種類に関して、原則戒名は「平等」です
どのご僧侶も、戒名に違いはありませんとお答えになるでしょう。
そうお話しすると、「そんなバカな?」とお叱りになる方もあります。
院号は格が高くて高級なんだ。という認識の方が多くあるからです。
戒名の長さによって、長ければ立派。長ければ高い。中には、1文字10万円という方もあります。
戒名には、院号・道号・位号といったように、分解して考えることが出来ます。
戒名は、2文字です。これは、全宗派共通しているのです。
その方の年代や仕事・役柄・お人柄・仏教への貢献度によって院号などが付与されているのです。
詳しくは、宗派の戒名についてお話しします。
■戒名の一般的な相場
一般的な相場は上記のとおりであると考えます。
■有名人の戒名
大光院力道日源居士 力道山
陽光院天真寛裕大居士 石原裕次郎
花香院麗風妙舞大姉 大原麗子
大雲院雷蔵法眼日浄居士 市川雷蔵
秀岳宗光禅定門 明智光秀
満寿院叡彩心酔大居士 池田満寿夫
石森院漫徳章現居士 石森章太郎
峰雲院文華法徳日靖居士 井上 靖
也風流庵大拙居士 鈴木大拙
慈照院和道法郎居士 坂上二郎
竹久亭夢生楽園居士 竹久夢二
安楽寿院功誉文林徳潤居士 谷崎潤一郎
修音院釋秀樹 西城秀樹
■宗派による違い
一般的な戒名について
梵字は、天台・真言は「ア字」、浄土宗は、「キリーク」
院号とは、お寺を建てるほど信仰心・寄進のあった方の意味です。
道号とは、悟りの境地やお人柄があらわれます。
戒名とは、仏弟子となった証です。どの宗派も2文字として共通しています
位号とは、年齢や性別・役職によります。男性(居士・信士)女性(大姉・信女)子供(童子・嬰児・水子)
浄土教・法華経・大日経
正確には、菩提寺のお寺様にお問い合わせください。
●天台宗の戒名
【天台宗】
<教義>釈迦の多くの経文の中で最高の経とされる「法華経」を中心におき「人は誰でも仏になれる種子があり、縁にふれて努力すれば成仏できる」と教えている。
天台宗の教義は、総合仏教でありましたので、浄土宗の法然 臨済宗の栄西 曹洞宗の道元 浄土真宗の親鸞 日蓮宗の日蓮といった各宗祖も、この比叡山で学ばれ、その教えの専門的な事を説かれ、広められていきます。
<ご本尊>阿弥陀如来(釈迦如来、薬師如来をまつる事もある)
<本山>比叡山延暦寺
<宗祖>伝教大師(最澄)西暦806年
<諸派>天台寺門宗 天台真盛宗
<経典>法華経、般若心経、大日経、浄土三部経
梵字「阿」を用いる場合と、用いない場合がある。
<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号
戒名のつけ方
天台宗では、二字法名の上に二字の道号を付けて四字名とするのが通例となっています。道号は表徳の号であって、仏教徒として修行・信仰により得たところの人格・功績等を表示する二字の名であります。
男性には、岳 女性には室を付ける場合も多くみられます。
道号と法名を組み合わせて四字の語義を考え、読んで意味が通じ、読みくだしが自然で、
無理のない発音で読めるように注意が必要です。
A・F・フェノロサ 玄智院明徹諦信居士
篤姫 天璋院殿従三位敬順貞静大姉
●真言宗の戒名
<教義>真言とは仏の真の言葉、それを身・口・意、つまり心と体で体得しようと努めていけば即身成仏できると説く教え。
<ご本尊>大日如来<本山>高野山金剛峯寺
<宗祖>弘法大師(空海)西暦816年
<諸派>高野山(金剛峯寺)、智山派(智積院)、豊山派(長谷寺)
<経典>大日経、金剛頂経、理趣経、般若心経
<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号
真言宗の戒名には、「真」が使われる場合が多くみられます。
また、山川草木や日月星花など、あらゆる事物の名称をつかい、例えば山、岳、峯、国、天、雲、風、光、春、夏、秋、冬、松、竹、梅、蓮、堂、室など
島崎藤村 文樹院静屋藤村居士
●曹洞宗の戒名
<教義>日常生活の中で、潜在する仏心に目覚め、明るい社会作りに努力し、また坐禅して安心立命の日をおくるとする。
<ご本尊>釈迦牟尼仏
<本山>永平寺・総持寺
<宗祖>道元禅師 西暦1227
<経典>般若心経・観音経・修証義・法華経
位牌の上には、「空」を入れることがありますが、これは戒名ではありません。
<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号
井伊直助 宗観院殿柳暁覚翁大居士
石原裕次郎 陽光院天真寛裕大居士
手塚治虫 伯藝院殿覚圓蟲聖大居士
貴ノ花利彰 双綱院貴関道満居士
●臨済宗の戒名
<教義>日常の一挙一動が道の働きであり、「平常心これ道」と説く。道は理想を求めず日常の中にあるとする。
<ご本尊>釈迦牟無尼仏
<本山>建仁寺(それぞれの派により異なる本山を持つ)
<宗祖>栄西禅師 西暦1202
<諸派>(妙心寺・南禅寺・建仁寺・建長寺・円覚寺)
<経典>特定の経典はないが主に般若心経・大悲呪・坐禅和讃等
位牌の上に「空」を入れる場合がありますが、これは戒名ではありません。
<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号
有名人の戒名
山岡鉄舟 全生庵殿鉄舟高歩大居士
西郷隆盛 南洲寺殿威徳隆盛大居士
小津安二郎 曇華院達道常安居士
清水次郎長 碩量軒雄山義海居士
●浄土宗の戒名
<教義>称名念仏を全ての修行に優先する。
<ご本尊>阿弥陀如来
立像だけでなく、座像の場合もございます。
<本山>知恩院
<宗祖>和順大姉(法然)西暦1175年
<経典>浄土三部経:無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経
位牌の上に キリーク(阿弥陀の梵字)を入れる場合もあります。
<戒名形式>
□□△△信士・信女
□□△△居士・大姉
〇〇院□□△△居士・大姉
└┘ └┘└┘└─┘
院号 道号 法号 位号
○○院 □誉 △△ 居士(大姉)
└─┘ └┘ └┘ └───┘
院号 誉号 法号 位号
浄土宗では生前 五重相伝や授戒会に参加して戒名が授与されている。
五重相伝とは、義の真髄を五段階に分けて解説伝授する宗門重大行事である。
その諸儀式の中に剃髪授戒が行われるのである。
善導大師が観無量寿経の(念仏を称える者は)人中の分陀利華である。との語を解釈して(人中の)好人、妙好人、上上人、希有人、最勝人である。と五種に嘉誉されたことに依るのである。
浄土宗第五祖、定慧上人が良誉と号されたのが最初であり、「誉」を使われることがある。
「譽」は高位な戒名とされ、一般ではなかなか授けてくれないのが現状と考えます。
有名人の戒名
初代 市川団十郎 門譽入寶學榮信士
2代目 法譽拍筵隋性信士
3代目 隋譽定縁學往信士
4代目 廓譽悟粒隨然法子
5代目 還譽浄本臺遊法子
6代目 皆譽自到本刹信士
7代目 徳譽恢郭子儀善法子
8代目 篤譽浄筵實忍信士
9代目からは、神号【諡号】となります。
杉田玄白 九幸院仁誉義真居士
中原中也 放光院賢空文心居士
斎藤茂吉 赤光院仁誉遊阿暁寂清居士
逸見政孝 誠實院温譽和顔政孝居士
伊能忠敬 有功院成裕種徳居士
●日蓮宗の法号
<教義>久遠実成の釈迦牟尼仏にむかい「南無妙法蓮華経」の題目を唱える事で即身成仏し、理想の社会である仏国土が実現すると教える。
<ご本尊>曼荼羅(南無妙法蓮華経の7字)
<本山>身延山久遠寺
<宗祖>日蓮聖人 西暦1253
<経典>法華経
位牌の上には、「妙法」と入れる場合がありますが、戒名ではありません。
<戒名形式>
○○院 □□ △△ 日□ 居士(信士)
○○院 △△ 妙□ 大姉(信女)
└─┘ └┘ └┘ └───┘
院号 法号 妙号 位号
一般的に「日号」といわれ、日蓮さんの日を授かる場合があります。これも、全員ではありません。
いかりや長介 瑞雲院法道日長居士
井上 靖 峰雲院文華法徳日靖居士
緒形 拳 天照院普遍日拳居士
尾崎紅葉 彩文院紅葉日崇居士
ジャイアント馬場 顕峰院法正日剛大居士
夏目雅子 芳蓮院妙優日雅大姉
美空ひばり 慈唱院美空日和清大姉
力道山 大光院力道日源居士
●浄土真宗の戒名(法名)
<教義>弥陀の積善が廻向されて、それに乗って衆生が浄土に往生できるとする、絶対他力の教え。念仏をもっぱらにして阿弥陀如来の本願を信じる事をつとめとする。
<ご本尊>阿弥陀如来
南無阿弥陀仏と書いたお軸の場合もあります。
<本山>東本願寺
<宗祖>見真大師(親鸞1224)西暦1602年
<経典>浄土三部経:無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経
<法名形式>
○○院 釋 △△ 居士(信士)
○○院 釋尼 △△ 大姉(信女)
└─┘ └┘ └┘ └───┘
院号 釋号 名号 位号
<基本法名>
釋 △△
釋尼 △△
【浄土真宗本願寺派】
<教義>阿弥陀如来の本願を信じ、ひたすら念仏をとなえることによって弥陀の廻向をうけて浄土往生すると教える。純粋他力の教え。
<ご本尊>阿弥陀如来<本山>西本願寺<宗祖>見真大師(親鸞1224)西暦1594年
<経典>浄土三部経:無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経
原則、浄土真宗さんは、位牌を用いず、過去帳を準備されます。
しかし、最近は、位牌がないと寂しいといった方も多く、位牌をおつくりになる方もあるそうです。
浄土真宗では、戒名と言わず「法名」といいます。
院号は、原則本山から授かるものとされていますので、詳しくは各派の本山にお問い合わせください。
<法名形式>
○○院 釋 △△ 居士(信士)
○○院 釋尼 △△ 大姉(信女)
└─┘ └┘ └┘ └───┘
院号 釋号 名号 位号
<基本法名>
釋 △△
釋尼 △△
(現在の本山の姿勢)
女性の方に「尼」を付けないようになっています。
釋号 名号
釈とは釈迦の略称で仏の種姓である。
よって仏門に入って出家したるもの、及び釈迦牟尼仏の教えに帰依してぶつでしとな事をあらわすもとのとして、法名の上に「しゃく」の字を冠するものです。
浄土真宗では、戒名とは言わず法名というのは、教えに戒律がないからである。
有名人の戒名
岡倉天心 釋天心
佐藤栄作 作願院釈和栄
古賀政男 大響院釈生楽
赤塚不二夫 不二院釋漫雄
新井白石 慈清院殿釈浄覚大居士
植木 等 宝楽院釋等照
岡田有希子 侑楽院釋尼佳朋
司馬遼太郎 遼望院釋浄定
筑紫哲也 無量院釋哲也
林屋三平 志道院釋誠泰
樋口一葉 智相院釋妙葉信女
松田優作 天心院釋優道
松本清張 清閑院釋文張
向田邦子 芳章院釋清邦大姉